目の疲れと頭痛・肩こり
目の疲れと頭痛の治療
眼精疲労と同時に起きやすい症状が頭痛です。
よく起こりやすい頭痛には、頭痛筋肉の緊張が原因となる緊張性頭痛と神経の興奮やストレス・自律神経の乱れなどから起こりやすい片頭痛があります。
当院では痛みの場所・痛み方などを詳しく問診し、頭痛の種類・原因を深く読み取り、症状に合わせた最適な治療を行っております。
あなたの頭痛はどこが痛みますか?

頭痛の痛みの場所から原因を診ていきます。
頭痛の原因は様々ですが、肩や首の筋肉のコリや緊張、ストレスなども大きく関係しています。
当院では
- 筋肉の緊張
- 東洋医学による診断
- トリガーポイント
の3方向から頭痛の原因を考えます。
1:眉毛・おでこ・頭頂部・口の下の痛み

●筋肉の緊張は…
頭頂部の頭痛や眉・額・下唇の下の痛みは、主に板状筋・胸鎖乳突筋といった筋肉の状態が影響しています。
板状筋は頭頂部の神経(大後頭神経)の近くにある筋肉なので、この筋肉の緊張が頭頂部に頭痛となって現れることがあります。
●東洋医学では…
頭頂部の頭痛はストレスや精神的な緊張などによって起きると考えます。考え事や思考することなど、頭を使うことが多いと痛みが起きやすい場所です。
2:耳のまわり・こめかみ・下あごの痛み

●筋肉の緊張は…
側頭部の頭痛やこめかみ・下あごの痛みは、僧帽筋・後頭部の筋肉(大・小後頭直筋、上下頭斜筋)・板状筋・胸鎖乳突筋といった多くの筋肉の状態が影響しています。
これらの筋肉はパソコンやスマホの画面を見続ける時、頭を固状させた状態に保つ筋肉です。
首と頭の間の奥深くにある筋肉なので、鍼による治療が大変効果的です。
●東洋医学では…
側頭部の頭痛はホルモンバランスやストレスなどの影響を受けることで起きやすいと考えます。
女性の生理周期によりホルモンバランの変化で起きる片頭痛やストレスが引き金となる頭痛ではよくこのエリアに痛みがおこります。
他に、歯のかみしめ・歯ぎしりによって咬筋(かみしめる筋肉)の緊張が側頭部の痛みとなって現れることが良くあります。
顎関節症やあごの痛みにも鍼治療が効果的です。
③後頭部・耳の後ろ~髪の生え際の痛み

●筋肉の緊張は…
後頭部の頭痛や髪の生え際の痛みは、僧帽筋・後頭部の筋肉(大・小後頭直筋、上下頭斜筋)・板状筋など多くの筋肉の状態が影響しています。特に僧帽筋は長時間姿勢を保持する時に働く筋肉です。
●東洋医学では…
後頭部の頭痛は肩や首のコリが蓄積されたり、自律神経の乱れなどによって起きやすいと考えます。他に肩甲骨の間の緊張や痛みが同時に起きることがよくあります。
頭痛のトリガーポイント
トリガーポイントとは、首や肩の筋肉のコリを押した時に、こめかみや頭などに響くような痛みを感じるポイントの事をいいます。
眼精疲労と同時に頭痛を感じる方は多いのですが、同時にこめかみ・まゆ毛・おでこ・あごなどに痛みが起きる方も大変多いです。このような症状にはトリガーポイントへの鍼の治療が大変効果的です。痛む場所に原因があるのではなく、痛みの引き金となっているポイントがトリガーポイントだからです。
僧帽筋のトリガーポイント

僧帽筋は上部・中部・下部の3つに分けられますが、とくに僧帽筋上部繊維は重力に対する働きをする姿勢筋なので緊張しやすい特徴があります。
多くの方が姿勢を長時間保持したデスクワークによって肩の筋肉の僧帽筋が緊張している状態です。いわゆる肩が凝った状態になっています。しかし、その状態を辛いと感じる方もいればあまり感じないという方もいて、こりや痛みの感じ方には個人差がとても大きいのです。
知らず知らずのうちに肩にトリガーポイントができていて、それによる頭痛が起こっている場合もあります。
反対の手でこの部分を強く押すかつまむかして、図のような頭やこめかみにズ~ンと響くような感じがしたら、僧帽筋にトリガーポイントができている可能性があります。
後頭下筋群のトリガーポイント

後頭部に付着している4つの筋肉(大・小後頭直筋、上・下頭斜筋)を総称して後頭下筋群と呼びます。これらの筋肉は首と頭の付け根の奥深くにあるので鍼による治療が大変効果的です。
パソコンの作業を長時間している場合など、画面を見るために頭を固定し続けるとこれらの筋肉がこり固まってきます。
なんとなく後頭部や側頭部に頭痛を感じていたり、目の奥の方が痛いとか重いような場合も後頭部の筋肉を治療すると効果的です。
後頭部が押したくなったり辛くなってきたら、アゴを軽く引いた状態で頭を下に向けるとこれらの筋肉をストレッチすることができます。
板状筋のトリガーポイント

板状筋は2つの筋肉からなっていて、頭蓋骨から頸椎に付いている頭板状筋と頸椎に付いている頚板状筋があります。
とくに頭板状筋は、大後頭神経という後頭部から頭頂部に延びる神経の出口近くを通っている筋肉なので、この筋肉の緊張によって頭頂部の頭痛の原因となっていることがあります。
また、大後頭神経は目の周りの感覚を支配する三叉神経と関連があるために、板状筋の緊張が原因で目の奥が痛いなどの眼精疲労の症状を訴える方も多くいます。
胸鎖乳突筋のトリガーポイント

胸鎖乳突筋という筋肉は耳の後ろ辺りから鎖骨・胸骨に付いています。
胸鎖乳突筋は姿勢筋の一つでストレスの影響も受けやすく緊張しやすいため、知らず知らずのうちにトリガーポイントができやすい筋肉の一つです。
この筋肉がこりがひどくなりトリガーポイントができると、前頭部の頭痛を感じたり、耳鳴りや目のかすみなどの症状を起こすことがあります。
目の疲れと肩こり
肩こりは、局所的には筋肉の緊張から血流が悪くなってこり感や痛みが出ていると言われています。
そして、こりがひどくなるとトリガーポイントが形成され、そのこり固まった部分の筋肉だけでなく、他の場所に関連痛として痛みやしびれ感やこり感を出してしまいます。
マッサージによる治療でも肩こりや首のこりや背中の痛みなどに効果がありますが、筋肉の奥深いところにできたトリガーポイントには鍼治療がよく効きます。
しかし、実際には治療してもまたすぐに肩こりがもどる方もいます。
そのような慢性的な肩こりや眼精疲労の場合には、ものごとの捉え方や無意識で感じている感情などの精神的なストレスが深く関係していることが考えられます。
脳の興奮を抑えられ気持ちがリラックスできることや、仕事の合間にリフレッシュできるようなことを積極的に取り入れていただくことで治療効果もあがっていきます。
肩こりのトリガーポイント
筋肉がこり過ぎると、トリガーポイントができることがあります。
トリガーポイントの特徴は、他の場所に痛みやこった感じを出してしまうことです。そのために自分で辛いと感じている場所には実は原因がなくて、他の部分にその辛さを出す原因があるというようなことが起こってきます。
肩こりに関連する筋肉は、以下の図で示している他にも、首の周りや頭に付いている筋肉や、内臓の疲れも関係してくる場合もあります。
肩甲挙筋のトリガーポイント

肩甲挙筋は肩こりを代表する筋肉の一つで、頸椎の横から肩甲骨に付いています。
この筋肉は次項にある僧帽筋と関連が深く姿勢筋でもあるためストレスによって緊張しやすい傾向にあります。
首を横に曲げた時や肩をすくめるように上に引き上げるような動作をした時に、首を曲げた側・肩を上げた側の上記の図のような場所に痛みが出る場合は、肩甲挙筋がこり固まってトリガーポイントを形成している可能性があります。
僧帽筋のトリガーポイント

僧帽筋は首から背中まで3つの部分に分かれた広範囲にわたる筋肉で、皮膚に近い浅い場所に位置する筋肉です。
もし首を少し後ろに倒した状態で首を横に倒してみて倒した側に痛みが出る場合は、僧帽筋がかなり緊張している可能性があります。
僧帽筋は前項の図の肩甲挙筋と関連が深く緊張しやすい性質があります。心の動きによって知らず知らずのうちに勝手に筋肉が緊張して肩に力が入ってしまっていることも多いと思います。
また、僧帽筋のトリガーポイントは頭痛や眼精疲労の症状を引き起こしたり、肩こりの原因になっていたりしますが、肩甲骨の間に痛みやこり感を出していたりすることもあります。